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ディアボロ(''Diavolo'')は、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のParte5(第5部)『黄金の風』に登場する架空の人物。 ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』における声優は宮本充。ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』における声優は森川智之。 == 人物 == ギャング組織「パッショーネ」のボス。幾つもの偽名を持っており、作中でも本名は明かされていないが、その正体を知るものにはディアボロと呼ばれている。「帝王」を自称し、自身の永遠の絶頂を脅かすものを許さない。二重人格者で、「ドッピオ」という名の気弱な少年の人格が内在している。 自身の過去が自身の地位や栄光を揺るがす原因となると考え、それに関するあらゆる情報や事物、およびそれらに辿り着く手段をことごとく隠蔽・抹消してきたため、その正体や経歴、人物像を知る人物は「パッショーネ」幹部にも誰一人として存在しない。その一方で、彼の正体を知ってしまった者や探ろうとする者、反逆者に対しては決して容赦せず、狂気すら感じられる凄惨な方法で始末したり、その死体を組織内の他のメンバーへの見せしめに利用することもある。必要とあらば、幹部クラスの部下の自決命令や命令を終えた部下の抹殺さえも決断する。実の娘であるトリッシュに対してさえ、「他者にとっては自分の過去を知るために必要なもの、自分にとっては自らの手で始末せねばならないもの」としか考えておらず、その存在に憎悪の感情さえ抱いている。 与えられた仕事をしっかり遂行したり、目的や誇りのために命懸けの行動を取った人物に対しては敬意を払う一面もあるが、基本的にはその名の示す通りの、恐ろしく冷酷で残虐な「悪魔」のような性格を示す。これはギャングのボスとしての地位や手腕、強力過ぎるスタンド能力などに基づいた絶対的な自信やプライドと、自分の正体や過去を他人に知られる事や自身の栄光が失われる事、『運命』につまづいて失敗を犯す事などに対するこの上無い恐怖心に基づいている。 しかし、自身の正体や過去に関する事物は自らの手で徹底的に始末していかなければ気が済まない、戦闘中でさえ自身の姿を見られない事に神経を使う余り止めを刺せる絶好の機会をみすみす見逃したりする、自身のスタンド能力を過信して相手の行動の真意を読み違えたりする、など、このような歪んだ性格や信条が仇となって致命的なミスを犯すことも少なくなく、結果的にはそうした行動のために破滅へと追い込まれている。 また、トリッシュにも「あたしは『運命』を乗り越える。あんたみたいに『運命』にビクついたり逃げたりしない」と自身の信念を否定されている。 1967年生まれ。母親は刑務所に服役していた女囚で父親は不明(母親は妊娠当時女性のみの刑務所で既に2年間服役しており、妊娠できる状況ではなかったから)。刑務所では育てられないためサルディニア島の神父の養子となり、19歳になるまでそこで暮らしていた。 当時は「臆病でどんくさいがさっぱりした性格」と周りから思われており、また育て親の神父との関係も良好で将来は船乗りになりたいと語っていた。しかし、1986年に神父がディアボロのために部屋を拡張しようと彼の部屋を掘ったところ、神父は部屋の床下に生き埋めにされているディアボロの母親を見つけてしまった。その後何があったかは語られていないが、その日の夜に彼の故郷の村は炎に包まれ、ディアボロは死亡者の一人として処理された。 また、同年にディアボロはエジプトの遺跡発掘隊に金目当てでアルバイトとして参加しており、その時に偶然遺跡からスタンド才能を開花させる「矢」を6本発見した。その後、その「矢」を盗んで発掘隊から逃走し、盗んだ「矢」の内5本はエンヤ婆に高値で売り、残りの1本を組織拡大に利用した。 「パッショーネ」を創立しボスになってからは、「裏社会の浄化」の名の元で多くの組織を潰し、大勢の人間を支配下に置いたが、組織基盤が確立したと同時に「禁じ手」としてきた麻薬(ノベライズ「恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-」で、部下の1人がスタンド能力で製造した特殊なものであることがわかる)の密売を行うようになり、イタリアの街を荒廃させる原因を作った。結果として1986年からイタリアの犯罪統計が急速に伸び、さらには欧州の麻薬犯罪率が20倍に増大した。このことから、1990年代から「弓と矢」の行方を追っていたジャン=ピエール・ポルナレフは麻薬を蔓延させているパッショーネが「矢」を所有していることを突き止め、さらにディアボロの正体を知ることにも成功するが、ディアボロはパッショーネの強固な組織力と自身のスタンド能力「キング・クリムゾン」を武器に、ポルナレフを徹底的に追い詰めた上でこれを返り討ちにし、右目と下半身を失う重体を負わせる。 ジョルノが入団して、ブチャラティが幹部に昇進すると、自分の過去に繋がっている実の娘のトリッシュを裏切り者の暗殺チームの手に渡る前に自らの手で殺害するため、ブチャラティチームに命じて自らの下に送り届けさせるべく命令する。しかし、トリッシュの護衛が成功してディアボロへのトリッシュの引き渡しが行われた時、ブチャラティがディアボロの思惑を察してことを決意し、捨て身で抵抗してきたためにトリッシュを殺害出来ず、2人を取り逃してしまう。このため、自身を裏切り、「キング・クリムゾン」の能力を知ったブチャラティをチームとトリッシュ諸共抹殺しようと画策する。なお、ブチャラティはディアボロを裏切る直前、ディアボロを「吐き気を催す邪悪」と呼んで罵倒した。 その後、自らの親衛隊を刺客としてブチャラティチームに送り込む一方で、自らは第二人格のドッピオと入れ替わって故郷のサルディニア島に向かう。そこでブチャラティチームとは別にボスの正体を探っていた暗殺チームのリーダー・リゾットと交戦してこれを殺害、その後スタンド能力「ムーディー・ブルース」で自らの過去を再現しようとしていたアバッキオに奇襲を掛けて殺害した。しかし、アバッキオは殺害される直前にディアボロの過去の姿の再現に成功しており、死ぬ間際に側にあった石碑に「ムーディー・ブルース」の顔面と手を叩きつけていたため、後から来た他のメンバーに自身の素顔と指紋が割り出されてしまった。 その後、自らの過去をブチャラティチームに知られた事と自らを打倒するべくブチャラティチームの協力を申し出る者の存在を確認し、自身の切り札であるチョコラータとセッコに追撃を命じてブチャラティチームを追うようにローマのコロッセオに向かった。 その後、ドッピオの姿でローマに辿り着くと、セッコとの戦闘で満身創痍になったブチャラティと遭遇したため、トリッシュのフリをしてコロッセオにいる協力者の元へ案内させる。すると、その協力者の正体がかつて殺害したと思っていたジャン=ピエール・ポルナレフであることに気づき、またポルナレフが持って来た「矢」を使って何かをするつもりであることに勘付いたためため、正体を現して彼に襲い掛かり、殺害する。しかし、ディアボロに止めを刺される直前にポルナレフが「矢」で自身のスタンド「シルバー・チャリオッツ」を貫き、「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」に進化させたことで「矢」を「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」に奪われたため、「矢」の入手には失敗する。 その後、「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」の能力によって魂と肉体の入れ替わりが起こったのだが、この時に二重人格という特異精神によってディアボロのみ入れ替わりに不規則が起き、ドッピオの魂が宿ったブチャラティの肉体ではなくトリッシュの魂が宿ったミスタの肉体に潜むこととなった。その後、他のメンバーが混乱している隙を突いて「キング・クリムゾン」の能力を発動し、ナランチャを殺害した。 その後、「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」の能力の全容をいち早く理解し、他のメンバーを出し抜いて「矢」を手に入れようと企んでいたが、あと少しの所で自身の魂がチーム内の誰かの肉体に潜んでいる事をジョルノに気づかれる。そこで「キング・クリムゾン」の射程に入ったジョルノの腕を切断し、それに気づいて咄嗟にトリッシュが出した「スパイス・ガール」を「キング・クリムゾン」で気絶させることで一時的に肉体の主導権を握った。そして、他のメンバーからの妨害を受けながらも、「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」にダメージを与えたことで「矢」を手に入れる一歩手前まで辿り着く。だがそれよりも先にブチャラティが「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」を完全に攻略した事で魂が元の肉体に引き寄せられ、「矢」をジョルノに奪われてしまう。そのため一時は撤退も考えたが、己のプライドを賭けて戦うことを選ぶ。そして「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」にスタンドを進化させる事に成功したジョルノに挑むものの、「G・E・レクイエム」の「動作や意思の力をゼロにする」能力により、時の消し飛ばしはおろか意思や行動まで巻き戻されて無効化され、その直後に打ち込まれたラッシュによりティベレ川に叩き落され敗北。その後、「G・E・レクイエム」の能力により「死んだという真実」にさえ到達できなくなってしまい、様々な形で永遠に死に続け、死ぬことに怯え続ける地獄を味わうこととなった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディアボロ (ジョジョの奇妙な冒険)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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